有馬温泉(ありまおんせん)は、兵庫県神戸市北区に位置し、日本三古湯のひとつとして知られる日本最古級の温泉地です。その歴史は1,300年以上に及び、『日本書紀』や『風土記』などの古文書にも記録が残るほど。温泉好きはもちろん、歴史や街歩きが好きな人にも刺さる場所だと感じます。山あいに湯けむりが立ちのぼる温泉街は、神戸の中心部から少し足を伸ばすだけで、空気まで切り替わるような非日常が待っています。
また、有馬温泉は京都・大阪・神戸といった大都市圏からのアクセスが良く、日帰り旅から宿泊まで旅の組み立てがしやすいのも魅力です。私の考えでは「時間があまりないけれど、しっかり癒やされたい」という日にこそ相性が良い温泉地です。
有馬温泉の歴史
有馬温泉の歴史は古代にさかのぼり、温泉を整えた人物として推古天皇の時代の記録が語られることがあります。さらに、神話にも登場する温泉地として知られ、古くから人々の信仰と暮らしに寄り添ってきました。有馬の湯は「金泉」と「銀泉」という呼び名で親しまれていますが、この対比自体が日本の温泉文化の“奥行き”を象徴しているように思えます。
とくに戦国時代は、有馬温泉を語るうえで欠かせません。豊臣秀吉が愛した温泉地として名高く、温泉街には秀吉やねね(北政所)にちなんだスポットが点在します。秀吉が建てたとされる「湯山御殿」の名残を伝える展示や、秀吉が詠んだ和歌にまつわる話など、歩いているだけで歴史の断片が目に入ってくるのが有馬らしさです。私が面白いと思うのは、偉人の逸話が“観光用の話”で終わらず、街の名前や橋、案内板の一つ一つに溶け込んでいる点です。
江戸時代には湯治場として広まり、参勤交代で立ち寄る大名や貴族、僧侶などにも利用されました。明治以降も名湯としての評価は続き、いまでは国内外から多くの旅行者が訪れる国際色のある温泉地へと発展しています。古いものを守りながら、新しい過ごし方も提案してくれる――そのバランスが有馬温泉の強みだと感じます。
有馬温泉の見どころ
特徴的な泉質
有馬温泉の大きな魅力は、性質の異なる温泉を楽しめることです。温泉地によっては泉質が一種類にまとまっていることも多いのですが、有馬では“湯の個性”がはっきりしているのが印象的です。
- 金泉(きんせん)
金泉は鉄分を含む塩化物泉で、空気に触れることで湯の色が茶褐色に変化します。高濃度の塩分を含むため、湯上がりに肌がしっとりしやすく、体の芯まで温まりやすいのが特徴です。冷えが気になる季節に入りたくなる湯で、私の考えでは「短時間でも温まりたい」人ほど相性が良いタイプです。 - 銀泉(ぎんせん)
銀泉は無色透明で、炭酸泉やラジウム泉に分類される湯として知られます。肌あたりがやさしく、気分をふっとほどいてくれるような感覚が魅力。施設によっては飲泉ができる場合もあり、温泉の楽しみ方に幅が出ます。私は金泉でしっかり温まったあとに銀泉に入る流れが好きで、湯の“違い”を味わうほど満足度が上がると感じます。
この2つの泉質が同じ温泉街で楽しめるのは国内でも珍しく、有馬温泉が長年愛され続ける理由のひとつです。「今日はどんな湯に入りたいか」で選べるのは、旅先としてかなり贅沢です。
観光スポットと温泉街
有馬温泉は、温泉に入るだけで終わらないのが良いところです。坂道の多い温泉街はコンパクトで、散策しながら歴史、文化、自然、甘いものまで一気に楽しめます。私なら「湯上がりに少し歩く時間」も旅のメインに入れます。
- 金の湯・銀の湯
公共浴場として気軽に利用できる施設で、金泉と銀泉をそれぞれ体験できます。宿に泊まる人はもちろん、日帰りでも“有馬の湯”を押さえられる定番スポットです。どちらか一つに絞るなら、体をしっかり温めたい日は金泉、さっぱり整えたい日は銀泉、という選び方がわかりやすいと思います。 - 太閤橋と温泉街
太閤秀吉の名にちなむ「太閤橋」は温泉街の中心にあり、周辺には土産物屋やカフェ、食べ歩きのお店が並びます。湯けむりと川のせせらぎ、石畳の風景が重なる場所もあり、歩いているだけで旅気分が高まります。 - 瑞宝寺公園
紅葉の名所として知られ、秋はとくに人気。豊臣秀吉が愛した景色として語られることもあり、季節の良い日は散策が心地よいスポットです。私の感想としては、温泉街のにぎわいから少し離れて静けさに浸れるのが魅力です。 - 有馬稲荷神社
商売繁盛や温泉の守護神として崇敬される神社で、温泉街散策の途中に立ち寄りやすい場所です。朱色の鳥居が並ぶ景色は写真映えもしますが、私は“旅の区切り”として参拝すると気持ちが整う感じがして好きです。 - 炭酸泉源公園
有馬は炭酸泉でも知られ、街の中で湧き出る炭酸泉に触れられるスポットがあります。温泉街が「湯の町」だと実感できる場所で、散策の途中に寄ると旅の理解度が一段上がる印象です。
温泉街は坂道が多いので、歩きやすい靴だと安心です。私の考えでは、有馬温泉は「目的地に着いたらすぐ温泉」よりも、「街を歩いて空気に慣れてから温泉」が似合います。湯に入ったときのありがたみが増します。
季節ごとの魅力
有馬温泉は四季折々の自然美も魅力です。春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色が温泉街を彩ります。冬は雪見風呂のチャンスがあり、金泉の濃厚な色合いと雪景色のコントラストは格別。個人的には、寒い日に外気で頬が冷えている状態で湯に沈む瞬間が、いちばん「来てよかった」と感じやすいと思います。
混雑しやすい季節や時間帯もあるので、落ち着いて過ごしたい場合は、朝の散策やチェックイン前後の時間をうまく使うのがコツです。温泉街は朝の空気が澄んでいて、写真を撮るにも歩くにも気持ちがいい時間帯です。
グルメと特産品
有馬温泉は、温泉とセットで“食の楽しみ”が充実しています。代表格は「炭酸煎餅」。軽い食感と素朴な甘さで、散策中のおやつにもお土産にも向きます。私の感想としては、温泉街で食べる炭酸煎餅は妙においしく感じて、ついもう一枚…となりがちです。
食事は、地元食材を生かした懐石料理や、神戸牛を使ったメニューが人気。しっかり食べたい人は夕食を目当てに宿泊、軽く楽しみたい人は食べ歩きやカフェ利用、と旅のスタイルに合わせて選べます。私なら、湯上がりは重すぎない甘味や温かい飲み物で休憩して、夜にご褒美ごはん、という流れにします。
アクセスの良さ
有馬温泉は、神戸市の中心部から車や公共交通機関でわずか1時間程度の距離にあります。大阪や京都からも1〜2時間で訪れることができ、アクセスの良さが国内外からの観光客を引きつける理由となっています。日帰りで温泉と街歩きを楽しむのも良いですし、宿泊して朝晩の空気の違いまで味わうのもおすすめです。
私のおすすめの過ごし方
私が有馬温泉を案内するなら、まず温泉街をゆっくり一周します。川沿いの景色や橋、路地の小さなお店を眺めながら歩いていると、自然と「温泉に入りたい気分」が高まってきます。その後に金泉でしっかり温まり、休憩を挟んで銀泉でゆるめる流れが理想です。湯を“はしご”できるのは有馬ならではの贅沢だと感じます。
時間に余裕があるなら、公園や神社に立ち寄って、温泉街の外側の静けさも味わうと満足度が上がります。有馬温泉は、温泉そのものの強さに加えて、歩くほどに表情が変わる町でもあります。私の考えでは「せかせかしない」がいちばんのコツです。
まとめ
有馬温泉は、歴史、泉質、観光、グルメ、自然のすべてがそろった魅力的な温泉地です。古文書に残るほどの長い歴史を感じながら、金泉・銀泉という個性の違う湯を楽しめるのは大きな魅力。街歩きを織り交ぜることで、旅の満足度はさらに高まります。忙しい日常を少し手放して、心身ともに癒やされる時間を有馬温泉で体験してみてはいかがでしょうか。
